プチ・メゾン / 2005年
福岡市の中心部に近い住宅地に完成した「プチ・メゾン」(小さな家)です。限られた敷地条件、建築条件、コスト条件を克服して、弱点を強点に変えていくことで一歩理想の住宅に近づきます。コンクリート造の駐車場の上部に乗る木造狭小住宅の試みは、2段式車庫の上に寝室とサニタリールーム、そして一番上に居間と食堂を配置しました。外壁は耐水性構造用合板の上に防水モルタルの下地、内壁は断熱材をはさんで構造用合板の下地の上に、それぞれ20mmの土しっくいを塗っています。この住宅には杉の無垢フローリングの下に電気式の床暖房や、集成材を利用した構造用アーチなどの技術も使っていますが、わらやすさをいれた現代版工法の土壁は、地震にも強く工事も早いのでお勧めです。建物は周囲の緑濃い住宅環境にも合い、庭の風景にも溶け込んでいます。道路に近くかつ敷地の境界際の車庫の上に建つこの住宅は、隣家との関係から建設の際、足場をかけることが不可能なため、上部の壁を少しずらしてデザインしています。