潮中邸 1&2 (W造平屋建)/2015年

福岡市から車で約1時間の距離の宗像市に、美容室兼住宅の併用住 宅を計画しました。第2種低層住居専用地域の特性を生かし、互い に隣接した敷地に、片方を美容室の併用住宅、もう一方を事務所の 併用住宅として配置し、両方の住宅を2世帯住居として連絡廊下で つなぐという形式を取りました。丘状の住宅地域であるため奥行の 真ん中で1層分段差のある敷地断面を利用して、道路に面するレベ ルには美容室と事務所を、上のレベルには住宅を配置し、のこぎり 型の折版屋根を配して、特徴のあるファサードが出来上がりました。 外壁には、スチールのスパンドレルと左官仕上げのジョリパット塗 を採用しています。 内部は傾斜屋根の形状を利用し、美容室、事務所をはじめ住宅の大 部分を勾配の付いた高天井として、天井を照らした間接照明で明か りを取っています。住宅のランニングコストを左右する冷暖房では、 中間季には、南北に開かれた窓からの心地よい通風を促し、夏季に は、高天井を利用したルームエアコン、冬季には、1日中常時使用 する美容室には地中熱利用のサーマスラブ床暖房、夕方以降の利用 が多い住宅居間には即熱式ガスパネル床暖房と各々の特徴をいかし て計画しました。

作品事例一覧へ